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2007/11/09 [ ヒューマンデザイン ] |
ある工事現場の最寄り駅。 ホームから階段を降りて左右に分かれ、線路をくぐって別々の改札に向かう。地上の改札口を出るとどちらにも少し先に踏切がある。つまりこの駅は、ホームを中心としてすべてシンメトリーになっているのだ。 地下通路や改札口への階段の形も色もすべてが一緒で、ある意味、美しいともいえなくもない。図面も片側半分だけ描けば済むかもしれない。シンプルだし、設計の間違いも起こりにくいだろう。 ある日、例によって地下道をくぐって改札を出ると、道の向こうが工事用の塀で囲われていて駅前の様子がすっかり変わっていた。再開発でも始まったかなどと思いつつ、踏切を横目に見ながら現場に向かうが、行けどもいけどもたどり着かない。現場監督さんに電話して周りの様子を伝えると、なんとそこは駅の反対側だった。とにかく戻って出直すしかない、ゼロからやり直しだ。 とりあえず踏切までもどり、向こう側に渡ってみるとそこは見なれた景色。再開発などやっていない。一安心ではあるが、こんな間違い恥ずかしくてだれにも言えない。もしも地下道の突き当たりに、片方はカラフルな壁画、もう片方は鏡張りにでもしてあれば間違いは起こらないだろうし、恥もかかなくてすむ。 すべては駅のつくりが悪いのだ。金がなければペンキでいいから右は赤、左は青にでもしてくれ。とにかく左右同じにするな。サインデザインは初めて訪れる人や間違いやすい人に合わせてやるものだ。それが ”ヒューマンデザイン” というものだろう。 2倍も歩かされたおかげでいい運動にはなった。 方向音痴って治らないのかなあ・・・ |