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2012/06/04
[ ・・・を前提として ]
 
生物たちはけっして間違いを犯さないが、人間だけは違う。

以前、発電用の風車の羽根の一つがなくなっているのを見たことがある。
美しくも巨大な風車の、本来3枚あるべきはずの羽根が2枚しかない。遠く離れたところに、真っ白で、びっくりするほど大きくな羽根が、森の中に横たわっていた。本体から外れた羽根が飛んでいく光景を想像し、ゾッとしたものだ。

風車は、羽根が外れて飛んでいくなど有りえないということを”前提として”陸や海に立ち並んでいる。人は安全を確信して近寄って写真を撮ったりながめたりしているが、僕は絶対に近づかないぞ!。

自動車メーカーの本社ビルの設計に関わった友人がいる。設計内容についてクライアント側の担当者に「なにかの時には自動的にエンジンが起動して発電し、非常用電源が確保される。そのことを”前提”に設計を進めている」と説明すると、車の専門家である担当者に「エンジンほど当てにならないものはないのだから、自動的に起動するという前提はおかしい」と言われたそうだ。
原発事故の時、すぐにこの話を思い出した。

この際、”・・・を前提とする”ことがらを見直そうではないか。人間という生物?は間違いを起こすということを[前提として]。