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2012/06/25
[ 街の水琴窟 ]
 
雨あがりのバス停に、どこからともなく水琴窟の音が響いてきた。ここちよい音色なのだが、まるでデジタル音のごとく方向性が感じられない。目の前の人家からなのか、それとも後ろの工事現場からか。

耳を澄ませば、どうやら道路脇の雨水枡のようだ。納得した。
雨水枡に流れ込む水が多ければただの連続音でしかないが、雨が上がった後のわずかな水がしずくとなって適度な間合いで枡に落ち、その反響音が水琴窟の音となって足元から僕の耳にとどいていたのだ。

道路の排水のための雨水枡が、ときに水琴窟に変身するとは大発見ではあるが、これがあの”蚊”の発生源でもあるというと、 何ともなあ・・・