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2012/06/24
[ カラスとネズコ ]
 
カラスと雀が親類とはおどろきだ。
片や真っ黒でテカテカして、それを精悍といえば言えなくもないが、どちらかと言えば憎たらしく思える。あれでカナリヤみたいな声だったらオネエ言葉みたいで気色悪いが、カアカアならその姿、形にぴったりだ。
かわいらしい雀とは似ても似つかないが、生物学上の分類ではそうなるらしい。

桜がバラ科というのもまったく理解できない。桜にトゲはないし花も幹もバラとはまったく違う。公園の桜に「バラ科」の札をつけるなら、バラの花にも”桜の親類”と書いた札を付けたらどうだ。花好きの人の苦笑いぐらいは取れるかもしれない。

僕が外部のデッキや手摺でよく使うウエスタン・レッドシダーは、ヒノキ科ネズコ目に分類されている。どちらも針葉樹だから”桜とバラ”のような違和感はない。化粧品などにも利用されるヒノキチオールも抽出されると聞く。
ネズコというのはじつは「木曽五木」のひとつだが、現在は市場に出ていないせいか、まったく使われていない(山にはあるそうだ)。ネズコは耐候性が高く、京都の雨ざらしの面格子などに使われている。

レッドシダーとは20年ほどまえに出会って以来つかい続けているが、びっくりするほど腐れに強い。
それまでは”注入材”といわれる防腐剤を染み込ませた材をデッキなどに使っていたが、素肌に触れる住宅に、薬剤はできれば使いたくない。レッドシダーの価格は当時、注入材よりも安かったせいもあって、どのくらい耐候性があるのか半信半疑ながらつかってみた。

そして20年。塗装をしようがしまいが耐候性の変わらないレッドシダーは頼もしい。これからも外材の”ネズコ”を使い続けていきたい。